自主制作CDジャケット制作の基本と記載事項まとめ

2020-08-04

こんにちわ。
「音楽事務所やレーベルに所属していないけど、自主制作でCDを発売したい!」という方向けに、CDジャケットに記載しておきたい情報をまとめました。
自主制作、つまりライブやコンサートの物販で販売するためのCDジャケットには、厳しい規定はありません。ですが、表記すべきことはきちんとしたほうが体裁も良いので、よかったら参考にどうぞ。

事務所やレーベルに所属している場合は、記載場所の指定や記載必須事項が異なりますので、あくまで自主制作の方向けです。

一般的なジャケットのセット一式

一般的なセットは以下の4点セットです。

  • ブックレット(=ジャケット)
  • バックインレイ(CDトレイの下に挟む)
  • レーベル面(ディスク面)

ブックレットについて

ブックレットのページ数と選び方

ブックレットは以下のようにページ数が選べます。

  • 2P:一枚のカード裏表だけ
  • 4P:二つ折り
  • 8P:二つ折りが2枚重なって綴じてある
  • 12P:二つ折りが3枚重なって綴じてある
  • 16P:二つ折りが4枚重なって綴じてある

歌詞を載せる場合は8Pタイプが人気ですが、収録曲数と歌詞の長さで決まってきます。

10曲収録で、1曲1ページ使ってゆったり載せたい場合は、(表紙1ページ足すと)最低11ページ必要です。同じく10曲収録でも、改行は削除してギュウギュウに詰めてもOK、文字が小さくなってもOKの場合は、8Pでもいけると思います。

ブックレット1P(表紙・アートワーク面)への記載事項

  • アーティスト名/ロゴ
  • アルバムタイトル

私が担当したアーティストさんで、「1P(表紙・アートワーク面)にアーティスト名は不要」という方がいらっしゃいました。結構びっくりしましたが、自主制作ならそれももちろんOKです。

ブックレット2P以降の記載事項

  • 歌詞
  • アーティスト情報
  • クレジット表記

アーティスト情報をクレジット表記については、長くなりそうなので、別記事でまとめます。

スペースが余ったら、アーティストのホームページURLや公式SNSなどのアカウント名なども掲載すると良いです。

バックインレイについて

バックインレイ背中面への記載事項

棚にしまったときに見える部分ですね。
右も左も一緒で良いと思いますが、片方は英語・片方は日本語表記というのもよく見かけます。

  • アーティスト名/ロゴ
  • アルバムタイトル
  • 品番

バックインレイ外側(CDケースの裏面)への記載事項

バックインレイ外側が、帯をかける場合、右端数センチ隠れてしまいますので、曲名などの位置に注意しましょう。

  • 曲順
  • 値段
  • 発売日
  • 品番
  • 権利表記
  • DISCマーク
  • STEREO / Made in Japan
  • 注意事項

値段の表記は、「本体価格 2,000+税」などが良いでしょう。
発売日は四角で囲み、[20・7・26] [2020.07.26] と表記します。

権利表記には、本来(P)と(C)があります。(P)マークは、「実演家、レコード製作者及び放送機関の保護に関する国際条約」という国際条約に基づく保護のための表示で、(C)マークは万国著作権条約の規定に基づいた条約上の保護(デザイン・歌詞著作物全般の保護)のための表示です。製造年を一緒に記載し、以下いずれかの形にすることが多いようです。

(P)&(C)2020 xxxx.
(C)2020 xxxx, all rights reserved.

以下、例です。

本体価格 ¥2,000+税 [20・07・26] cd-001 / STEREO / Made in Japan
(C)2020 xxxx, all rights reserved.
このCDを、著作権法で認められている権利者の許諾を得ずに、①賃貸業に使用すること、②個人的な範囲を超える使用目的で複製すること、③ネットワーク等を通じてこの CDに収録された音を送信できる状態にすることを禁じます。

バックインレイ内側(トレイ側)

CDディスクで隠れる部分です。特に記載したいことがなければ写真を配置するか、1色で塗りつぶしてしまうだけでも個性的なイメージになります。

帯について

帯への記載事項

  • キャッチコピー
  • アーティスト名/ロゴ
  • アルバムタイトル
  • 品番
  • 曲順
  • 値段
  • 発売日
  • 権利表記
  • DISCマーク
  • STEREO / Made in Japan
  • 注意事項
  • アーティスト写真

ほぼ、バックインレイと一緒です。
帯は開封される前に目立つ部分なので、目をひくキャッチコピーを入れたり、差し色で目立つ色味の背景にするのがおすすめです。

また、バックインレイ外側(CDケースの裏面)にアーティスト写真がない場合は、帯に入れると良いです。

帯の裏面デザイン

帯の裏面は、真っ白のままでも構いませんが、遊び心を出してみると良いです。
柄やイラストを配置する、ビビッドカラーで塗りつぶす、メンバーからの手書き風メッセージを入れる、○○引換券・ライブのご招待券にする、など、いろいろアイデアがあります。

CDディスクの取り扱い注意定形文

何か文字を入れたいけど、入れることがない場合、CDディスクの取り扱い注意という定形文言もあります。

定型文は以下になります。

<取り扱い上のご注意>
●ディスクは両面共、指紋、汚れ、キズ等を付けないように取り扱って下さい。●ディスクが汚れたときは、メガネふきのような柔らかい布で内周から外周に向かって放射線状に軽くふき取って下さい。レコード用クリーナーや溶剤等は使用しないで下さい。●ディスクは両面共、鉛筆、ボールペン、油性ペン等で文字や絵を書いたり、シール等を貼付しないで下さい。●ひび割れや変形、又は接着剤等で補修してディスクは、危険ですから絶対に使用しないで下さい。
<保管上のご注意>
●直射日光の当たる場所や、高温・多湿の場所には保管しないで下さい。●ディスクは使用後、元のケースに入れて保管して下さい。●プラスチック・ケースの上に重いものを置いたり、落としたりすると、ケースが破損し、ケガをすることがあります。

レーベル面(ディスク面)について

レーベル面はシルク印刷がおすすめ

レーベル面の印刷は、オフセット印刷とシルク印刷の2種類があります。
オフセット印刷は普通のカラー印刷ですが、ペタっとしたシルク印刷の方がディスク面ならではの味があってかっこいいので絶対おすすめです。

シルク印刷では、4色程度しか使用できず1色ずつベタ塗りしていく印刷手法です。

よくある間違いとしては、薄い色が先(下)になるようにデザインしなければいけない点!白など薄い色を後から載せても色が出ないので、白を先に塗り、白部分を抜いたカラーを上から重ねなければいけないのです。

レーベル面(ディスク面)への記載事項

  • アーティスト名/ロゴ
  • アルバムタイトル
  • 曲順
  • 品番
  • 権利表記
  • 注意事項(英文)
  • DISCマークとSTEREO

曲順は入れない方がスッキリするかもしれませんね。

よく見かけるのが、CDの外周でぐるっと英文の注意事項が入るパターン。以下のような形でグルっと入れると、かっこがつきます。

cd-001 / STEREO / Made in Japan(C)2020 xxxx, all rights reserved.
All rights of the producer and of the owner of the work reproduced reserved. Unauthorized copying, hiring, lending, public performance, broadcasting and making transmittable of this record prohibited.

※印刷業者によっては、ディスク面に「Made in Japan」表記が禁止な場合もあります(海外プレスの場合)。

以上、主にジャケットあれこれと記載するものまとめでした!