カメラを選ぼう! センサーサイズのはなし フルサイズ換算ってなんだ??
スマートフォンでも4K撮影ができる今日、わざわざ大きなカメラを使う必要ってあるの?
主になにが違うかというとセンサーの大きさとレンズです。
今回はこれまでのちょこちょこと出てきたセンサーサイズのおはなしです。
フルサイズ換算50mmとかAPS-Cセンサー対応レンズってなんだ? というおはなし
センサーとは?
フィルムカメラがデジタルカメラに変わり、フィルムの役割を担うのがセンサー(撮像素子)です。
画素、ピクセルとも呼ばれるデジタル画面を構成する最小単位をいくつ持つか、でそのセンサーの解像度が決まってきます。
2400万画素のフルサイズセンサー、というと36×24mmのセンサーの中に2400万の画素を持つセンサー、となります。
高画素=高画質?
多くの画素を持つセンサーは先の細いペンで絵を描くように、像を細かく結ぶことができます。
拡大しても荒れないのはより画素が多いカメラで撮影した画像です。
では画素数が高いほどよいのか?というとそうとも限りません。
画素数が高くなるほどに画素ピッチ、と呼ばれる一つの画素あたりの使用できるセンサーの面積が狭まるので、より明るさが必要だったり、高感度に弱くなったりしてしまいます。
今はデジタル一眼で2400万画素くらいが通常、という雰囲気がありますが、実はA4目一杯にプリントするなら1200万画素、4K撮影でも800万画素あれば充分だったりします。
ポスターサイズに印刷したり、拡大して切り抜いたりしないのであれば3000オーバーの画素数は必要なのか?という疑問も浮かびます。
目的にあった画素数やセンサーサイズのカメラを選ぶことが大事です。
センサーサイズ
メーカーごとに若干の違いはありますが、一眼カメラやムービーカメラに配置されているセンサーのサイズ規格です。
一眼レフからスマホのカメラまで、様々なサイズがあり、センサーのサイズが大きいほど多くの画素を余裕を持って配置でき、細かい描写や階調に有利ですが、そのぶんカメラ本体や対応レンズが大型、高級化します。
いわゆる一眼っぽさ(背景のボケ感や描写の細かさ)などはセンサーの大きさとレンズ性能によるものです。
フルサイズ
写真用のフィルムと同じサイズ、つまり同じレンズで同じ画角で撮影できるために”フル”サイズ"と呼ばれます。ニコンではFX、シグマはDGと表記します。
APS-C(エーピーエスシー)
アドバンスドフォトシステム(Advanced Photo System)というフィルム時代からある規格で、35mm版より一回り小さいフィルムを使う事で、カメラ本体を小型化できるというメリットはデジタルになっても変わりません。
縦横の比率が35mm版と変わらないクラシックサイズ、という意味でCがつきます。 フジフィルムのミラーレスは基本すべてAPS-Cです。 ニコンではDX、シグマはDCと表記します。
Super 35mm(スーパー35ミリ)
映像用の規格で、35mm版のフィルムを縦に使った時のサイズ(写真では横に使います)。
APS-Cとほぼ同じサイズなのでレンズも共有が可能です。
ただスーパー35mmと35mmフルサイズ、は別物なので注意が必要です。
マイクロフォーサーズ(Micro Four Thirds)
カメラがデジタルになってから生まれたフォーサーズという規格をミラーレス用に拡張されたフルサイズの半分ほどのセンサーサイズです。
Olympus(オリンパス)やPanasonic(パナソニック)が採用し、画質とボケのほどよいバランスで映像用としての人気があり、Blackmagic Design(ブラックマジックデザイン)なども採用しています。
1型
高級コンパクトデジタルカメラやちょっと高級なムービーカメラに採用される事の多いサイズです。
1/2.3型
コンパクトカメラやドローン、一部のハイスペックなスマートフォンにも使われるサイズです。
一般的なスマホはもっと小さいサイズのセンサーを搭載していますので、背景ボケなどはレンズやセンサーによるものでなく、複数レンズによる合成だったり後加工で出来上がっています。
センサーサイズと焦点距離
フルサイズ換算、という言葉があります。
センサーが小さくなると切り取れる範囲が狭まるため、同じ焦点距離のレンズを使うとセンサーのサイズによって画角が変化します。
レンズのmm数と画角の関係性がフィルム時代に確立しているため、小さなセンサーを搭載したデジタルカメラで撮影した画角と、レンズの焦点距離から想像される画角と実際に撮影される画角に差異が生まれてしまう事になってしまいました。
その差を埋めるべく、対応するセンサーサイズで撮影した画角がフルサイズ(フィルムサイズ)で何mmにあたるか、という表記がフルサイズ換算です。
APS-Cで1.5分の1、マイクロフォーサーズだと半分になります。
なのでマイクロフォーサーズでの25mmのレンズは、フルサイズ換算50mm、と表記されます。
ちょっとわかりづらいですが、”フルサイズでいうところの○○mm”という感覚がない場合は特に気にする必要はありません。
フルサイズより大きいセンサー
各メーカーが高級機種としてフルサイズミラーレスをラインナップするなか、フジフィルムはデジタルカメラにおいての最適解はAPS-C、という主張のもとフルサイズカメラは出さず、スタジオ撮影などの高画素が必要な撮影に対応するためにもっと大きなセンサーを搭載したデジタルカメラを発売しました。
フィルム時代から中版カメラを作ってきたハッセルブラッドと共に、中版ミラーレスという新しいジャンルを確立しました。
センサーの大きさ、というのは撮影システムの大きに関わってきます。
対応したボディ、レンズが大きくなればそれに応じて三脚やジンバルといった周辺機器も変わってきます。
求める画質と撮影機材の規模と、ちょうどよい塩梅を見つけることがセンサーサイズを選ぶ判断の基準となるでしょう。