カメラが欲しい! 一眼レフとミラーレス、何が違うの?? メリット・デメリットをご紹介

2020-05-07

前回で色々なカメラの種類についてはなしましたが、いま主流なのは一眼レフミラーレス
似たようでちょっと違う、この2種類についてもうちょっと突っ込んでみましょう。

一眼レフとミラーレス、ちがいって!?

ミラーレスが出たての頃は、どちらかというと本格的なものが一眼レフコンパクトでお手軽なのがミラーレス、という印象があったのですが、二大カメラメーカーのキャノン、ニコンから次々とフルサイズセンサー搭載のミラーレスが発表され、パナソニックやシグマまで参戦してきた最近はどちらがどうこう、という差はあまりなくなってきたように思えます。

ミラーレスは高速AFと連写がが弱い、とされてきたのですが2020年前半の今、最新の機種ではAF・秒間連写のスペックだけで見比べるともうそんなに差はありません。 ただスペック上の数字が優劣を決めるかというとそうも言い切れないのが面白いところです。
2021年に延期された高速AFと連写の祭典、東京オリンピックの報道陣がミラーレスだらけになるかと言われるとそれはないと思います。
メーカーのサポートやこれまでの経験値、ここ一番での信頼感など、ミラーレス勢が一眼レフの牙城を崩すのは至難の技です。
ただスペック的にはそうなってもおかしくないほどに開発が進んでいる、というのも事実です。

一眼レフのメリット・デメリット

高速AFと連写

一眼レフのよいところは上記のような高速AFと連写です。
最新機種ではミラーレスもかなりのところまで来ていますのがあくまでそれは最新の高級機種に限って、の話。
まだまだ総合的にみれば一眼レフのほうが優勢です。 位相差AFというミラーをいかした高速AFが搭載されている事がほとんどです。

レンズラインナップ

ミラーレスと違い歴史が長いのが一眼レフ、やはり交換レンズの種類ではミラーレスを圧倒します。
型落ちの中古まで視野にいれるとかなり選択肢があります。

光学式ファインダー(OVF)

いわゆる素通し、ガラスで反射した像を見ながら撮影できるので、肉眼で見ているのに近い感覚で撮影ができます。
光の反射で構成されていますので、カメラの電源が入っていなくてもファインダーは機能します
ただファインダーで見ているのがレンズを通った景色、なのでシャッタースピードやISO感度などを反映させた”いまシャッターを切ればこういう写真が撮れますよ”というガイドではありません。
設定を失敗するとシャッターをガンガン切ったあとに写真を見たら全部真っ黒、という事もありえます。
ミラーを上げて背面液晶を見ながらミラーレスのように撮影できる機種もあります。

大きさ

構造的にミラーのぶん一眼レフは大きくて重いです。
ただ小型軽量のAPS-Cセンサーの一眼レフと、機能重視の高級ミラーレスで比べると大きさ、重さの関係は反転します。

シャッター音

ミラーが上下するという構造上、無音でシャッターを切る事ができません
舞台や静かな音楽ステージなど、音が発生するとマズい場面での撮影には向きません。
ただそのシャッター音が気持ちいいポートレートなどで被写体との呼吸があわせやすい、という点もあります。

今後の展開

二大メーカーもフルサイズミラーレスに注力してきた今、一眼レフというシステム自体が今後どうなっていくかは今後の流れ次第、といったところでしょうか。
すでにキャノン、ニコン以外で一眼レフの新機種を期待できるのが大手メーカーではペンタックスのみ(ソニーもだいぶアヤしい)となった今、開発スピードや今後の展開という面においては”?”がつくのも事実です

ミラーレスのメリット・デメリット

小型軽量

一部の高級機種をのぞき、基本的にミラーレスは本体が小型で軽量です。
旅行・レジャーに気軽に持って行くならミラーレス+標準ズームレンズがオススメです。

レンズ設計

センサーとの距離が短いミラーレスはレンズの設計面で有利、とされていましたがイマイチ目に見える形ではわかりませんでした。
キャノンからRF28-70mm F2 L USMというズーム全域で開放F2の明るさのレンズを発売され(これまでは2.8が定番)、ニコンからもNIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noctが発表され、F0.95という驚異的な明るさミラーレスがレンズ開発に有利、という事がようやく実証されました。

電子式ファインダー(EVF)

ミラーレスは構造上、どんな高級機種でも光学式ファインダー(OVF)を搭載できません
映像ではなく、素通しの像を見ながらの撮影をしたい場合は一眼レフを使うしかありません。
ただEVFには現在の露出設定(絞り、シャッタースピード、ISO感度)が反映された映像が映りますので、”今シャッターをきるとこんな写真が撮れるよ”というのを常にカメラが教えてくれている状態で撮影が行えるのでとてもわかりやすいですね。

コントラストAF

一眼レフに搭載されている位相差AFがミラーレスでは使えないので、コントラストAFという方式をとっています。
センサーがキャッチした映像で判断するので、実際にレンズを動かしてからピントがあってるかどうか判断するので位相差AFより遅く、ピントが細かく前後してから合わせる様子が動画撮影だと嫌がられます。”ミラーレスはAFが弱い”とされていたのが初期のミラーレスはほぼコントラストAFしか搭載できなかったからです。
最近の機種に搭載されている像面位相差AFだと一眼レフに近い速度でピントを合わせる事ができます。

バランス

高性能なレンズが発表される一方、レンズ自体の仕組みやガラスの素材は小型軽量化がむずかしく、小さなボディに巨大なレンズ、というアンバランスな組み合わせがミラーレスでは見受けられます。
グリップパーツなどが発売されるなど、対策はあるもののボディとのバランスの悪さ、というのはメーカーも認めるデメリットという証明にもなってしまいました。

レンズラインナップ

ソニーはここ数年の開発でやっと各焦点距離のシリーズが出揃った、というところですがソニー以外の新しいフルサイズミラーレスに対応したレンズが揃うにはあと数年かかるでしょう。
ただ各メーカーが自社製のレンズとボディをつなぐマウントアダプターも出していますので、それを使用すれば一眼レフ用のレンズがミラーレスで使えるようになります。
裏技というか、第三者的なメーカーからソニーのボディでキャノンのレンズが使えるようになるマウントアダプター、というのが発売になっていたりします。


SIGMA MC-11を装着したSONY α7III 両機ともcanonのレンズが装着できます。
設計上、一眼レフどうし、ミラーレスどうしでのレンズの共用はむずかしいのですが、一眼レフ用のレンズであればミラーレスボディでの使用が可能です。
おそらく今後色んなメーカーのレンズ、ボディに対応したマウンドアダプターが発売されると思われます。 発売が先行していたソニー製ボディのEマウント対応のものが現在では最も多く発売されています。
ただアダプタ経由で接続された場合、ボディ、レンズ本来の性能を100%発揮できない場合があります。
メーカー純正どうしならまだしも、サードパーティ製のアダプタの場合AFの速度や精度などにバラつきが生まてしまいますので注意が必要です。

レンズ資産

マウントアダプターを使って様々な種類のレンズを使用できるのがミラーレスのメリットです。
自宅に眠っている誰かが使っていたレンズ、をアダプタさえ入手できれば使用できるのがミラーレスです。
その特異性を生かして”オールドレンズ”と呼ばれるフィルム時代のレンズや、写真用以外にも様々な種類のレンズを使用できることが新たな表現を探すきっかけにもなっています。
ソニーのボディに搭載された手ブレ補正が設定した焦点距離で機能するのも、電子接点を持たないオールドレンズや社外製のレンズでの運用を念頭において開発されている事を示しているのではないでしょうか。

ただ一眼レフ用のレンズはこれからもミラーレスやレンズ交換式の動画カメラなどで使用し続ける事ができますが、逆にミラーレス用のレンズは流用がきかないため、専用のボディ以外で使用することがほぼできません
もしボディの開発がストップしてしまえばレンズを生かすその後の展望というのはむずかしいかもしれません。

バッテリーの持ち

常にセンサーと背面液晶を動かし続けるミラーレスは、一眼レフに比べバッテリーの持ちが短い事が多いです。
一日撮影の場合バッテリーを複数持ち歩く必要があります。

開発スピード

メーカー各社がスペックを競い続けている結果、特にソニーは年間に何度も新モデルが発表されるなど、かなりの頻度で新機能や新機種が開発されています。ただ新しいモデルを買っても一年後には型落ち、という事態も。。。

まとめ

色々と書きましたが、ファインダやシャッター音など、基本的な構造に一因するデメリット以外は今後どんどんと克服されていくと思われます。
一眼レフだから、ミラーレスだから、と一概に優劣を決められないほどに各メーカーの開発が進んでいるのが現状です。
ここに書かれたメリット・デメリットも一年後には全く違う状態になっているでしょう。
なので自分の必要とする機能できればあったほうがいい機能いらない機能、などを見極めてちょうどいいスペックとお値段のカメラを探す、というのがよいです!
手のサイズも人それぞれなので、実際に手にとってみて、大きさやフォルムが手に馴染むか、というのもけっこう大切です。
“一眼レフだから” ”ミラーレスだから”というくくりでの考え方はこれからのカメラのあり方についていけなくなってしまう可能性が高いので要注意です!

次回はちょこちょこでてきた”フルサイズ”とか”APS-C”とかのセンサーのおはなし!